「リーン・ヴォートラン展」開催に向けて―世界からメッセージ―
2018年11月25日(日)より北参道chisa路面店にて開催の「リーン・ヴォートラン展」に向けて、今展監修者 小瀧千佐子の仲間とも、師とも言えるべきコスチュームジュエリーコレクターたちよりメッセージをいただきました。 ― 思考(心に思い描いたこと)が形になり、装飾実体に姿を変える―1930年代の初期から半世紀に亘ってパリで活躍し、晩年には一流の芸術家の名前を欲しいままにしたパリュリエール(高級婦人服用ジュエリークリエーター)、リーン・ヴォートランの作品に関して私は冒頭の様な私流の定義付けをしています。彼女の職人としてのキャリアは、作品に使用する素材ごとに10年単位で展開します。最初の10年はブロンズを使ったボタンや服飾品、次にガラス、そして最後にレジン(樹脂)と続きます。一旦独創的な可能性が実現すると、彼女はそれとは異なる更に新しいものへ探究の目を向けます。彼女にとってインスピレーションの湧き出る源泉に限界はありません。古代宝石、聖書の物語、神話、民間伝承、諺、夢、普遍的な価値(愛、信仰)、天然元素(太陽、水、地球)、難解なシンボル(呪文やまじないの様な)、彼女はこれらの全てを、女性として、母として、そして恋人としての感受性を通して選別します。彼女の作品はまるで内面から突き動かされたかの様に生み出され、「形」と云う息を吹き込まれた無限のテーマは次にデザインやモデリングによって実在物体となるのです。人々の見詰める面前で、ヴォートランはブロンズの調和のとれた質感と外観の融和を創出して見せ、人々の目を楽しませました。たとえあなたが美術品収集家や服飾専門家でなくとも、是非この展覧会に足を運び、ご自身の目で鑑賞なさることを強くお勧めします。―以下原文Thoughttakes shape and becomes a decorative object: this is my way to define the artof Line Vautrin, a parurière (creator of accessories for Haute Couture) active in...