出展作品紹介 Schiaparelli 01

撮影:福森崇広

スキャパレッリ
ネックレス"葉"
ジャン・クレモン(デザイン/制作)
1937年頃
フランスクリアエナメル彩メタル、メタルメッシュ
33.4cmX17.5cm

 

  • Elsa Schiaparelli

第一次世界大戦を経て、ヨーロッバではどこか不穏で重苦しい空気が流れる1920年代から1950年代、エルザ・スキャパレッリ(1890-1973)はそんな時代に光を射すように、幻想的で明るい色彩に満ちたデザインを生み出した。

ローマの裕福な家庭に生まれながらも長く不遇な結婚生活を過ごすが、ポール・ポワレに類まれなセンスを見出され、1927年にはパリで自身の小さな店を開くに至る。その後も芸術家との共作など話題を呼ぶ作品を次々と発表し、1933年にはニューヨークとロンドンに出店する。

そして1935年、パリのヴァンドーム広場にプレタポルテの店をオープンさせた。

流行を敏感に捉えながらも独創的な造形と大胆な色調をもつ彼女のスタイルは、ファッションのみならず芸術の歴史にも大きな足跡を残した。

 

 

  • 戦前のスキャパレッリ

ユニークで、他人に迎合しようと微塵も考えていないコスチュームジュエリー

一度目にしたら忘れられない強烈なインパクトを与えるだろう。

スキャパレッリのオートクチュール・コレクションには、ピカソの《ゲルニカ》に匹敵する強い反戦のメッセージが込められている。シュールレアリスムの影響を受けているとはいえ、彼女自身が伝えたい思いを表現しているのだと考える

決して華やかとは言えない彼女のジュエリーを身につけるとき、私はなぜか姿勢を正し、誇らしく感じてしまう。

小瀧千佐子

 

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