chisa
Vase「Bouquet」Small gravure
¥280,000
花器「花束」小 グラヴィール
Size:Φ14cm H:30cm
サリール工房といえば、このグラヴィール技法。
ムラーノガラスと言えば、〈ホットワーク〉と呼ばれる、ガラスに熱を加え、ドロドロに溶かし、その熱くやわらかいうちに職人さんの技巧により息を吹き込んだり伸ばしたり、ひねったりすることで美しい作品を生み出すことで知られています。
その逆に、ガラスが冷え固まってからカットなど削り加工を加えることを〈コールドワーク〉といいます。
〈コールドワーク〉は、一概には言えませんが、主に鉛クリスタルに施されることが多いです。
なぜなら、透明度を出すために鉛を加えることでクリスタルガラスは比重が重く、ドロドロ溶けている時に吹いたり伸ばしたりすることはできないからです。型に流し込み、ゆっくり冷やし固め、その後に加工します。
「ガラスは、鉛を入れると透明度になる」というのは、ヴェネチアのガラス職人たちによって発見されました。しかし、彼らはガラスを型に流し込むことは、自分たちの手腕を、技術を生かせないと考え、〈コールドワーク〉を捨て、〈ホットワーク〉の技術を磨くことに専念した、という歴史があります。
ですから、〈コールドワーク〉であるグラヴィールをここまで積極的に取り入れたサリール工房というのは、ムラーノ島のガラス工房としては大変珍しく、革新的なことなのです。
私が声を大にしてお伝えしたいのは、ムラーノガラスの素晴らしい〈ホットワーク〉技法で作られたガラスに、素晴らしい〈コールドワーク〉のグラヴィールが施されているということ。
20世紀の芸術運動の中で誕生したこの素晴らしい技術の出会いは、ある種、美の極致とも言えるのではないでしょうか?
グラヴィール技法
ガラスの表面にグラインダーで彫刻を施す技法で、鉛の含有量の少ないベネツィアングラスにグラヴィールを施すには高度な技術と熟練が必要とされます。
グラインダーの直径、種類、研磨剤の粒の大きさを変えることで異なる調子が生み出されます。
中世に水晶彫の為に考案されましたが、16世紀頃よりガラス彫刻の重要な技法となりました。
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サリール工房
ヴェネチア ムラーノ島は吹きガラスで有名なガラスの島であるが、SALIR工房はグラヴィール(ガラスの表面に浅く浮き彫する技)やエナメル彩色、
金彩で芸術性の高い上質なガラス工芸品を制作する数少ない工房。
20世紀初頭には、時のアーティスをアートディレクターとして迎え、数々の名品を生み出した。それらの作品は各国のガラス美術館に所蔵されている。
2019年に閉鎖されてしまったが、20世紀を代表する遺産の一つと言っても過言ではない工房である。
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