こんにちは、チサスタッフの佐々木です。
ヴェネチア出張から無事帰国いたしました。急に冷えてまいりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
約2年ぶりの出張ということもあり、出発前には何を作りたいか、何が必要なのか、これから開催させていただく催事を踏まえて会議を重ね、ファイル2冊分にもなる、ずっしりと重たい資料を携えムラーノ島へと出発いたしました。
今回は私も出張に同行させていただき、初めてムラーノ島へ足を踏み入れることができました。ムラーノ島は私が想像していた以上に美しく、その風景に圧倒されました。
ランチに訪れたレストランのテーブルに置かれているグラスもムラーノガラス、シャンデリアもあちらこちらに飾られており、ガラスがこんなにも当たり前に身近にある環境に、何度ため息が出たことか。ガラスの島と言われる所以が、島中に溢れていました。
ムラーノ島でのお仕事は、ひたすらに歩き回る毎日。水上バスはあるものの、島の中は基本的に徒歩移動です。1日に4~5つの工房を訪ねました。なるべく近い工房ごとに回れるようにスケジューリングはしたのですが、ハプニングや変更はつきものです。すぐ向こう側に工房が見えているのに、運河を飛び越えられないもどかしさとの戦い。ずっしりと重いファイルを手に「これがムラーノ島か。」と何度も思いました。
その中で生まれるオーナー小瀧のアイデアやマエストロの卓越した技術を垣間見たときの興奮は、なんとも言えない魔法のような瞬間に感じられました。
さて、そんな魔法のような時間の中から、毎年ご紹介しております2025年干支「巳」が出来上がりました。今年も2人のマエストロにお願いをして、それぞれ個性あふれる干支に仕上がりました。
ガブリエーレ・ウルバン氏による、「巳」の制作中。今回は2色展開です!
こちらのブルーミックスは、工房で小瀧が突然思いついた色の組み合わせでした。
どちらもムリーネと24金箔を巻き取ったガラス種を、マエストロの熟練の技で柔らかなうちにぐーっと引き伸ばして形を作ることで、予想の出来ないガラスならではの表情が現れています。
素人撮影なのでお見苦しい点もあるかと存じますが、制作工程を動画にしてみました。ぜひご覧になってみてください。
こちらはジャンパオロ・ラガッジ氏による干支「翡翠色の巳-未来を見つめて―」。
ラガッジ氏によると、今回は本当に難しく、何度も試行錯誤してくださったようです。こちらの羽模様は、「ピューマータ」という伝統技法で、白色と翡翠色のガラスを合わせ、熱くやわらかなうちに先端の細い工具でひっかくようにして模様を描き出しています。
完璧主義なマエストロなので、うまくいかないときには連絡が途絶えてしまっており私たちもヒヤヒヤしておりましたが、とても可愛いらしく美しい「巳」が出来上がりました。
今年は3種類の干支を皆さまにお披露目出来ることを嬉しく思います。
本日より受注販売をスタートいたしました。勝手ながら17日(日)までの期間限定、完全受注生産とさせていただきます。贈呈品としても大変ご好評いただいておりますので、ぜひご検討ください。