硝子戸の中から外を見渡すと、
霜除をした芭蕉だの、
赤い実みの結った梅もどきの枝だの、
無遠慮に直立した電信柱だのが
すぐ眼に着くが、
その他にこれと云って
数え立てるほどのものは
ほとんど視線に入って来こない。
書斎にいる私の眼界は極きわめて単調で
そうしてまた極めて狭いのである。
しかし私の頭は時々動く。
気分も多少は変る。
いくら狭い世界の中でも
狭いなりに事件が起って来る。
それから小さい私と
広い世の中とを隔離しているこの
硝子戸の中へ、
時々人が入って来くる。
それがまた
私にとっては思いがけない人で、
私の思いがけない事を
云ったり為したりする。
私は興味に充みちた眼をもって
それらの人を迎えたり
送ったりした事さえある。
「硝子戸の中」
夏目漱石
小瀧千佐子
40周年記念
アートと、うつわと、
花入れと
近代ガラスの礎
ムラーノガラスを見つめて
小瀧千佐子が日本で初めてムラーノガラスの専門店をスタートして、40年がたちました。
CHISAは、創業当初からアートピース、うつわ、花入れ、どれも並行してご紹介をしています。
なぜなら小瀧千佐子にとって、それらは、どれもすべて暮らしに必要なもので、グラデーションのように地続きであるあらです。
小瀧千佐子
40周年記念
アートと、うつわと、
花入れと
近代ガラスの礎
ムラーノガラスを見つめて
小瀧千佐子が日本で初めてムラーノガラスの専門店をスタートして、40年がたちました。
chisaは、創業当初からアートピース、うつわ、花入れ、どれも並行してご紹介をしています。
なぜなら小瀧千佐子にとって、それらは、どれもすべて暮らしに必要なもので、グラデーションのように地続きであるからです。
日本人の職人さんが「技術を教えてください」と訪ねて来たことがあったよ。
でも断った。
教えた技術を日本に持ち帰ってしまえば、ムラーノガラスの伝統を守ることが難しいからね。
彼らは自身の作品を見せてくれた。
技術だけで言えば、もしかしたら彼らは、すでに僕よりうまいかもしれないよ。
でも僕は彼らが持っていないものを持っている。
「ANIMA-魂」だよ。
バラリン工房
第14代目マエストロ
ジュリアーノ・バラリン
EVENT DETAILS
TITLE
小瀧千佐子 4 0 周年記念
アートと、うつわと、花入れと
近代ガラスの礎、ムラーノガラスを見つめて
DATE
4 月 24 日(水)~ 5 月 7 日(火)
SHOP
日本橋三越本店 本館5階 スペース#5